日々の診療から
歯科治療と血圧
歯科治療と血圧の問題は切っても切れません。必ずついて回ります。
ところが患者さんは、歯科治療において自分の血圧との関係をあまり意識していない方が多いようです。
歯科で血圧が特に問題になる時は、局所麻酔を行ったり抜歯などの外科処置を行うときです。
術前で上が160を超え、下が90を超えているようであれば(数値は一つの目安です。人によって数値は違います。)すでにイエローカードです。行える処置は限られてきます。
多くの方は歯科に来るだけで、多少なりとも血圧上昇がみられます。
内科で血圧を測定する時に白衣を見るだけで上昇してしまうという事が言われますが、歯科ではそれ以上に緊張・恐怖心から来院するだけで血圧上昇する方が多いようです。
最近の治療では局所麻酔の併用により痛みを感じる事も少なくなりまし た。局所麻酔自体も針先の進化により、表面麻酔も不要なくらい最初の一刺 しの痛みも非常に少なくなりました。
さて、問診票で血圧に関する欄があるのですが意外とここをきちんと書かない方が多いのです。およそ体型を見れば見当がつきますので「あれ?変だな」と思う時には改めてこちらから問いかけをしています。すると血圧の高い方に限って、自分の血圧の高さに無頓着な方が多いのです。 つい先日もグラグラで痛くて噛めないという方が来院されまして、体型からしてどうも血圧が高そうに思えて血圧の既往を尋ねたところ、やはり高めで降圧剤を処方されておりました。ところがその日は飲んでない。「なんで飲まなかったの?」と聞きますと「歯を抜いてもらうつもりだったから飲まない方がいいと思って飲まなかった」という返事でした。 測定してみると案の定160/100 これではちょっと抜歯もしにくくなります。
あるいはこんな患者さんもいます。立派な体型をされていてやはり血圧の欄がノーチェック。血圧は?と尋ねますと「副作用が怖いからもうやめた。」それに「家で測るとだいたい落ちついているから。」というお返事。それでは血圧を下げるために食生活とか運動とか気を配っているのですか?と尋ねますとそれなりにというお返事。「じゃあまずは血圧を測りましょう。」と測りますと 175/110 これでは麻酔をして抜きましょうという時には190/120位にはすぐ跳ねあがります・」この時点ですでにレッドカード。ちなみに家では 150/80 位なんだそうです。とりあえず内科の先生と相談して飲まなくていいのか、飲んだ方がいいのか、きちん
と診断してもらい自己判断しないようお話をしたのです。この方は歯医者に来ると血圧が高くなるようです。
家で血圧の測定する場合、測定の仕方に問題がある場合もあります。とくに手首で測定する血圧計の場合は心臓との高さを同じにしないと、大きく誤差が発生しやすくなります。
血圧のお薬を飲んでいる方にお願いしたいのは、歯科治療を行う時にはきちんと血圧のお薬を服用していること、家での平常の血圧数値、もう何年くらい飲んでいるのか、食生活あるいは運動療法を行っているのかを教えていただきたいと言うことです。そして自分で勝手に服用中止にしないで、もし御自分なりの考えがあって服用中止するにしても食生活や運動療法、ストレス除去等、薬に代わる治療法をきちんと行いながら自分の体をきちんと管理してからにして欲しいのです。そして歯科に来る数日前からは睡眠時間を充分に取り、ゆったりとした気持ちで来院して下い。
舌が痛い。。。舌痛症?
最近、舌に関する訴えも多くなりました。
数日前にも 60代の女性ですが 「舌が痛くて痛くて
」と言うのです。
なんでも口腔外科にも行って、色々検査をしても結局原因不明で舌痛症かも
しれないと・・・・
そもそも舌痛症というのはよく原因がわからないときに一種の歯科心身症みたい
な感じでかたづけられることが多いのですが、よく調べると意外なところに原因が
あったりもします
この女性はすでに大体の思いつく検査はすでにやっているようですからまずは
お口の中を見てみます。
舌の側縁がぎざぎざと波うって歯形がついています。
こういう場合水分の滞りだとか、歯ぎしりとか低位舌が考えられます。
そして口の渇きもあるとかでいわゆる人工唾液(水分保湿ジェル)を処方された
そうな。 しかしこの方、充分唾液は出ていてお口の中も潤っています。
口呼吸?。。。口輪筋の筋力および持続力を測定してみます。・・・そんなに悪く
ない。で、しばらく患者さんといろんな話をしながら導き出したのが舌のポジション
不良による舌先端の痛みではないか??実はこの方、会話するうちにぽろっと言
ったのです。「いつも舌の先端がぴりぴりして...」って。最初は全体がって言っ
ていたにもかかわらずです。 「あっ」と思いました。たぶん間違いないかなって。
つまり、この女性は舌の先の位置が低位で本来舌の先端は上あごになければな
らないのに、下の前歯の内側にありしょっちゅう舌先で下の前歯の付け根や先端
がきになり触れているらしいのです。
こんなことしていると簡単に舌の先ってぴりぴりしてきます。
で治療法は「舌の先をいつも上あごにおいてください」でした。
一応自律神経のバランス測定を行いストレス度合いやストレス適応力を測定し
て後日来院していただきました。自律神経測定では強度の慢性疲労状態、心拍
変異度も少なく自律神経系の活動低下が見られました。
で、結果は「自分で意識して舌の位置を気にして上あごにつけるようにしていたら
症状は殆ど治った」と言うことでした。
現在は歯周病初期治療を実行しながら経過観察中です。
歯くその正体 ③
やはり患者さんには本当は歯クソと表現したいのです。耳クソ、鼻クソと一緒(いや、もっとばっちい)で汚いですからね。
さて前2回で歯垢はバイ菌の固まりだよというお話をしてきました。
だからなんなの、居たっていいよ。という方へ
お口の中のバイ菌たちは確実に人間の生命を脅かすことになります。
「またあ~~そんな大げさなあ
お口の中のバイ菌は通常歯みがきしないで悪い環境を保ち続けると(バイ菌にとってはいい環境ですね)どんどん種類も増え、やがて体に害のある菌もそれだけ増えることになります。
皆さんご存じの虫歯や歯周病の原因になる菌は500種類ものお口の中のバイ菌の中のごく少数です。そのほかにもいろんな悪い菌が居るわけです。これらは毒を産出するものもあります。(内毒素や外毒素と呼ばれます)
これらのバイ菌があらゆる手を使って体の中に侵入してきます。一般的には胃へ。。多くの一般細菌は胃液にによって死滅します。しかし一部の菌は胃液も平気ですし、胃液が正常濃度に達しない場合にはここでも生きてされに腸管に進むことになります。
さてもう一つの方法。あるものは歯肉の中に潜り込んできます。そして血液中に入り血管に侵入していきます。
動脈硬化の発生しているところから歯周病菌や口の中にいるバイ菌が非常に高率で検出されます。
歯周病患者では致命的な心臓発作を起こす確率は健康は歯肉の人に比べて約3倍(ノースカロライナ大学研究)
同様に歯周病患者では脳血管障害発作を起こす確率は健康な歯肉の人に比べて約2倍という結果が出ています。
これはほんの一例に過ぎません。歯周病菌あるいはその他の菌が全身に及ぼす影響はまだまだあります。
人間が細菌あるいはウイルスに感染する場合その進入経路は口、鼻、皮膚、生殖器、これでほぼ99%です。そのうちお口からの感染経路はかなりを占めるのです。
人間は細菌との共存共栄です。腸内細菌の善玉菌のように人間になくてはならない菌もあります。しかし、お口の中は殆ど必要のない菌です。
完全にお口の中からばい菌を無くすことはゼロです。でも歯ブラシによって歯垢(歯くそ)を取り除くことによって可及的にバイ菌数を少なくする。これは歯周 病や虫歯うんぬんかんぬん言う前に人間の寿命を延ばすために非常に大切なことです。せめて歯ブラシで落とせる歯垢は頑張って取り除きましょう。これだけで 人間の寿命は少し違って来るはずです。
歯くその正体 ②
わっ
例によって歯垢べったりです
早速スタッフに言って顕微鏡用意
たまたまお父さんも診療に見えておりましたので、お父さんお母さん二人に見てもらうことにしました。

「え~っ!これSの!?、な、なんなんです!この動いてるのは??
「はい、いますよ~」と冷たくわたし
このお母さんも歯垢は何でできてるの質問で食べかすと答えた方です
「やあだ~あんたなによこれ~信じられない!歯ブラシちゃんとしてんの
「こんなの他の人にはいないんですか?」
「ちゃんと磨けばこんなの居なくなるんですか?」
「どうしたら居なくなるんですか?」
矢継ぎ早の質問
この質問は殆どの方がされます。
お父さんも「これがSの口の中に居るって事ですよね・・・・」
こんな時小学校も低学年くらいの男の子ですと本人はどこ吹く風とばかりに明るいのが普通です
小学生も低学年ですとあまり自覚できないというかわからないというか
画面上を元気に行き交うバイ菌を見ても小川のメダカでも見ているかのような感覚です
ノー天気な子供を尻目に親は
人間の口の中からは400種類以上の細菌が特定されています。文献によっては500種類以上との記述もあります。
そして1ミリグラムの歯垢の中には10の9乗個、つまり10億個ですか、これだけ存在すると言われております。
実はこの歯垢中細菌はの80%は死んでいると言われております。
まあこんなばい菌の死骸やらバイ菌のはき出したべたべたしたものが集まって頑固にぬるぬるした歯垢となって歯の表面に頑固にくっつくわけですね。
私はよくわかりやすい様に流しの三角コーナーに置き換えるんですがまさしくあんな感じ。
皆さんのおうちにもありませんか?流しの片隅に三角コーナー。
何日も洗わずに放っておくとだんだん茶色くなってぬるぬるしてきますよね。
触りたくないでしょ
まさしくあんな感じがお口の中にも起こってくるわけです
ですから全く無菌というのは無理な話ですから、なるべくバイ菌の数を少なくする。つまり歯ブラシをして歯垢を落とすことによってお口の中のバイ菌を少なくするわけですね。
つづく
骨が。。。。
もう幼稚園の頃から通っているkちゃん
もう小学校5年生、明るくてとってもいい子。
久しぶり時やってきたと思ったら手首に包帯、ギプスで肩から上腕を吊っています
「どー~~したのkちゃん!」
その横でお母さんが「自分でやったのよこの子」とぼそっ!
さらにしつこく「どうしたの?」
kちゃん曰く「自分でやった」
「それじゃ答えになってないでしょ!どうしたのほんとにさ???」
「伊豆の下田に旅行に行ったとき旅館でお笑い見ててあんまりおもしろいから椅子のアームを手のひらでバンバン叩いたら一撃で折れた」
「え~~~っ」とわたし。。。
そんなことで手の骨って折れるの???
今の子弱い弱いとは聞いていたけどどんなに弱いんかいな
なんでも同行したおばあちゃんがとってもびっくりして病院に連れて行ってくれたそうな・・・
それにしてもどのくらいの力で椅子を叩いたのか、やっぱり食生活の悪さと運動不足プラス日光不足でしょうか。


